塔頭寺院の建造物3棟が正式に国の登録有形文化財に登録
高野山の塔頭寺院にある、密厳院苅萱堂、光臺院多宝塔、光臺院経蔵の3件が、12月3日に正式に国の登録有形文化財に登録されました。
密厳院苅萱堂(昭和元年頃)
金剛峯寺から東方に位置する密厳院に所在する仏堂。北面して建つ入母屋造檜皮葺の背面に入母屋造銅板葺の東西棟が接続される。内部は、西に引導地蔵の内陣、東に親子地蔵の内陣が配された複合仏堂。両内陣を結ぶ通路は、苅萱親子の悲話の絵解き場になっている。
苅萱親子の悲話を伝え、参詣者の信仰を支える仏堂であると共に、高野山での葬儀において重要な意味をもつ引導地蔵を祀る地蔵堂の2つの機能を持つ複合仏堂として重要な建造物である。
光臺院多宝塔(大正6年)
高野山の五之室谷にある別格本山寺院の光臺院にある銅板葺の三間多宝塔。境内の庭園内の築山上に建てられている、初層の間口が2.45mと多宝塔としては小ぶりであるが、軒は上下ともに二軒扇垂木となるなど凝った造りであり、全体的にプロポーションの整った名刹にふさわしい多宝塔。
高野山に残る多宝塔として数少ない例の一つであり、高野山で近代に建てられた多宝塔としては唯一のもの。
光臺院経蔵(昭和2年)
光臺院の参道西方に位置する経蔵。宝形造本瓦形銅板葺の校倉造の経蔵。高野山でも数少ない校倉造りの建造物であり、校木を同高に積み上げる独特な工法をとる。昭和初期の建築ながら復古的な造りの端正な姿の経蔵。