金輪塔・女人堂・細川の傘鉾祭関連用具の3件が和歌山県指定文化財に指定されました
金輪塔、女人堂、細川の傘鉾祭関連用具の3件が、令和6年3月4日に和歌山県指定文化財に指定されました。
1. 金輪塔(きんりんとう) 1基
金輪塔は、高野山の一心院谷(五の室地区)に所在する多宝塔で、高野山の中興に尽力した明算大徳(1021~1106)の廟所として明徳5年(1394)に創建されたと伝わります。
江戸時代後期に火災により類焼し、現在の建物は天保4年(1834)に再建されたものです。県内に残る数少ない江戸後期の多宝塔として貴重な建造物です。
2. 女人堂(にょにんどう) 1棟
女人堂は、高野山の北西部、高野七口のうちの一つの不動坂口に所在する建造物で現存する女人堂はこの不動坂口のものだけです。
江戸時代前期に建設されたとみられる住宅風の仏堂で、江戸末期に内陣を拡張するなど改造されていますが小屋組みは当初の形式を良くとどめています。近代まで続いた女人禁制のなかでの高野山参詣の様子を今に伝える唯一の建造物であり貴重なものです。
3. 細川の傘鉾祭(かさほこまつり)関連用具 5点
細川の傘鉾祭関連用具は、高野町細川の氏神である八坂神社で雨乞いや厄除けの祭礼として行われてきた「細川の傘鉾祭」で使われてきた5点の用具です。
祭礼は毎年8月16日で、傘鉾と笹を持った鬼によって行われています。
室町時代製作とみられる鬼面をはじめ、面箱、傘鉾幕、幕箱、傘鉾柄など祭礼の中心となる主要な用具が全て残り、高野山麓での風流芸能の有り様を示す貴重な資料です。