壇上伽藍の11棟の建造物が重要文化財に新たに指定されます
伽藍の11棟の建造物を重要文化財に新規指定することを文部科学大臣に答申されました。
金剛峯寺 9棟
御影堂、西塔、山王院拝殿、山王院鐘楼、准胝堂、宝蔵、大会堂、愛染堂、三昧堂
金剛峯寺金堂及び根本大塔 2棟
金堂、根本大塔
「金剛峯寺」9棟、「金剛峯寺金堂及び根本大塔」2棟の2件11棟の建造物は、高野山の二大聖地の一つである壇上伽藍を構成する建造物群です。壇上伽藍の堂塔は鎌倉時代頃に現在みられる堂塔が整備され、その後、幾多の火災を乗り越え復興し、現在まで伝えられてきました。現在、壇上伽藍に残る建物は、天保14年(1843)の大火によって焼失した後、江戸時代末頃に復興された建造物と近代に復興された建造物によって構成されており、これら堂塔は、配置や構成、規模、形式などは概ね踏襲されています。
住宅風の優美な御影堂や希少な木造大型多宝塔の西塔をはじめ、大会堂や山王院本殿など近世建立の優れた建造物群が往時の伽藍景観を今に伝えています。壇上伽藍の中心である破格の規模を誇る金堂と根本大塔は、鉄骨鉄筋コンクリート造の主体部に木造を取り合わせる巧みな構法であり、著名な建築家武田五一と建築史家天沼俊一によって設計された高野山を代表する近代建築としても高く評価される貴重な文化財です。