こんな大きな建物を建てる時は、基礎の杭を打ち込むのでは?
初回の今回は、住民の方から寄せられた次のお問い合わせについて取材しました。
「こんな大きな建物を建てる時には、基礎の杭をガン!ガン!と打ち込むのでは?音がまったく聞こえてきませんがどうして?」 |
回答
軟弱な地盤で浅い基礎では構造物を支えることが出来ない場合、固い地盤に届くまで深く杭を打ち込んで基礎とするのが普通で、この杭には大きく分けて既成杭と場所打ち杭の2種類があります。 ■既成杭は、あらかじめ工場で作られた杭を現場まで運び杭打機で打ち込む工法で、ご質問にあったようにガンガン大きな音がします。 ■場所打ち杭は、現場の地面に直接穴を掘り、その内部に鉄筋かごを入れてコンクリートを流し込み、地中に杭を構築する工法で、振動や騒音が少ないこと、運搬等によるサイズの制限がないため大口径の杭が施工可能であること等のメリットがあります。 今回の工事ではこの「場所打ち杭」のいくつかある工法の中から、地中に転石や木の根等の障害があっても掘削が可能な「全旋回オールケーシング工法」を採用しました。 施設全体で78本の杭を構築し一番長い杭は16mになります。 |
全旋回オールケーシング工法の施工フロー
①ケーシングチューブを油圧で回転させながら必要な深さまで継ぎ足して地中にねじ込む。
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②ケーシングチューブ内の土を掘削し、空いた穴に現場で組み立てた鉄筋かごを建てこむ。
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③鉄筋かごを建てこんだケーシングチューブにコンクリートを流し入れる。
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④ケーシングチューブを引き抜いてコンクリートが固まれば杭が完成する。
工事現場の様子
■全旋回ジャッキ
ケーシングチューブという鉄の筒を油圧で回転させながら地中にねじ込む機械です。
■ケーシングチューブ
■掘削作業の様子
■鉄筋かご